マンションのランドスケープデザイン

森のリ・デザイン(再構築)
エステシティ船橋のランドスケープ

計画地は野球グランドのある社宅団地であった。
大きく枝葉を広げたソメイヨシノやシイノキ、モチノキなどが200本以上植栽されていた。 ランドスケープ計画ではこの既存樹をできるだけ生かしていく方向で検討された
しかし樹木を現状の位置で残すのはマンション計画からするとほぼ不可能であったため移植が必要であった。
樹木はどれも長期間にわたり生育していたため根張りは広く深い、時間的余裕があれば根廻しなどによる養生もできたのであるが スケジュールからは不可能であった。
さらにソメイヨシノの成木は移植を特に嫌う樹木で通常の移植ではリスクが高すぎた。
そこで移植重機による移植が検討された。移植重機はブルドーザーの後ろに移植用の巨大な鍬のようなものを設置したものである。 対になった巨大な鍬を樹木の根の周りに差込み、持ち上げでそのまま目的地まで移動して植え穴に植えてしまうという今までの移植の常識からはかけ離れたものであった。
本来の移植は根回し養生の後、根の周り堀り、根巻により根鉢をつくる。この時、根をかなり切り落としてしまう。さらに枯れないようにするためと重量を減らすため枝葉も大分切り落とすことになる。そのため樹形はかなり貧相になり移植前とは似ても似つかぬものとなる。そして幹を支点にクレーンなどで樹木を吊り上げて移植場所やトレーラーなどに乗せるのであるがこの時、根鉢の全重量が幹に負担をかける。大木の移植というのは樹木にとっては死ぬか生きるかの大手術ともいえる。
しかし前述の移植重機では通常の根鉢の倍ぐらいで地面に鍬をさしこんで根こそぎ持ち上げてしまうので根も切らず枝葉を落とさず樹形を維持したまま樹木を短時間で移植することが可能である。欠点は公道を利用することが極めて難しいので計画地内での移植が大前提であるということであった。
計画地内で移植する場合次の問題点として現実的には工事スケジュール等の関係で最終的に植える場所に直接に植えることができない場合がほとんどだということだ。
そのため敷地内の別の場所に仮植してから最終場所に移植するということになり結果的に2回移植作業が必要になってしまう。一般的には2回移植するとコスト的に新規の樹木を購入するより高くなる場合が多く合理的判断から既存樹の活用が難しい場合が多々あるが、今回は新植(購入した樹木を植える)できるような大きさの木ではないので既存樹をできるだけ生かすというコンセプトが尊重され大部分の樹木が仮植をしてから本植ということになった。
建築工事との詳細なスケジュール調整のもと移植重機による移植がピンポイントのように行われ、最終的に既存樹木により森の中の集合住宅のような景観をつくりだすことができたのである。
まさしく森のリ・デザインであった。


桜公園


全体イメージプラン


森と水


□ 移植専用重機による大木の移植

移植専用重機 
ブルドーサーの後ろに巨大な1組の鍬がある

移植対象樹木にアプローチ
30度程度の坂道でも作業可能

鍬を大きく広げ地面に差し込む

鍬の爪を地面深く差し込んだ状態

樹木を根の下から抱え上げた状態
通常の移植では幹吊り上げ時に
幹に負担がかかるが
この方法だと幹の負担はほとんどない

樹木を抱えたまま移動。
直立した樹木が移動しているのは不思議な感覚

移植先の植え穴に向かう

植え穴に抱え込んだ樹木をゆっくりと下ろす

樹木が傾かないようにバックホウと共同作業となる。
樹木を傷つけないように注意して鍬を抜き取る
バックホウで植え穴の残土を整地して移植完了。




移植工事:守弘移植重機(東武緑地建設



その他の事例
□Node town近郊駅前開発のランドスケープ構想

□Fuison City既存集落との融合をテーマにしたランドスケープ構想

□庭園住宅地(庭園のような住宅地をめざす)

□ホワイト・コモン(白をテーマにした街角ひろば)

□里庭(農家の庭先をテーマにした住宅隣接地開発)

□レインボー・リーブス(コニファー・カラーリーフによる街角ひろば)

□さくら・コモン(水とさくらをテーマにした住宅地開発)

□新・田園都市(新・田園都市をテーマにした住宅地開発)

□ハーブリック・タウン(ハーブとレンガをテーマにした住宅地開発)

□ブルグ構想(ドイツの小さな町のランドスケープをコンセプトにした住宅地開発)

□シンフォニック・ステージ(音楽をテーマにした住宅地開発)

□フェアリー・ヴィレッジ(妖精をテーマにした住宅地開発)

□曲線路の街並 (道路車道部を曲線にした住宅地開発)

□森のリ・デザイン(既存樹木を活用したマンションのランドスケープ)

□小伝馬町の光庭 他(マンションのガーデンデザイン)

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