1. 一般的な根の分布
根は主根、側根、吸収根から成り立っており、主根と側根は樹木を支える役目をし、吸収根は養分や水分の吸収の働きをしている。
根は枝や葉が茂っている部分まで伸びているといわれている。
一般的に、古根は地下深く伸び、側根は横に伸び、吸収根は側根の先端にあり地表近くに広がっている。
2. 環境との関係
砂地などの乾燥地では、根は粗く、水分を求めて深くかつ広がる。
移植するには充分な根回しが必要である。
粘土質などの湿地では、根は深く入れず、地表近くに広がらずにある。
岩の多い所では、根は岩の間を水分などを求めて伸びているので、根回しが難しい。
3. 造成地と根
造成地などのようなブルド-ザ-などで固められた場所では、掘った場所に水が溜まり、その水が抜けないために根腐れをおこすことが多いので、耕うん機等で軟らかくする必要がある。
1. 建物や工作物の足場、設備配管などを考慮し、既存樹木を保存する。
建物外壁線より2~3m以内の樹木の保存は難しい。
また根と同時に、枝や幹が建物に障害にならないかどうかなども考慮する必要がある。
2. 切土も盛土の場合も、できるだけ石積みや法面勾配などの処理で根に負担がかからないようにする。
3. 盛土の場合、一般的に50cm前後の盛土には耐えられるが、根に対しては通気や灌水などが行なえるよう、排水層や通気管などの付設が望ましい。特にアカマツやカラマツなどは30cm程度盛土で枯れてしまう。
4. 切土の場合、目安として最低根元直径の5~6倍の範囲を残すようにする。