名 称 | 岩石名 | 産 地 | 特徴、性質 | 用 途 | 備 考 |
本御影 | 花こう岩 | 兵庫県 | 硬く、薄紅色 | 灯篭、沓脱石、水鉢、石臼など | 産出減少、高価 |
伊勢御影 | 花こう岩 | 三重県 | 粗質でサビがつきやすい。白系 | 景石、沓脱石、水鉢など | 使用多い |
三州御影 | 花こう岩 | 愛知県 | 緻密でサビがつきにくい。青白 | 灯篭、水鉢、塔、井筒など | 加工品多い |
甲州御影 | 花こう岩 | 山梨県 | 中粒で良質、白灰色 | 沓脱石、飛石など | 加工品多い |
白川御影 | 花こう岩 | 京都府 | 風化が早くサビがのりやすい。 | 灯篭、景石、水鉢など | 産出減少 |
生駒石 | 花こう岩 | 奈良県 | 青味があり、筑波石に似る | 石組、景石、沓脱石、飛石、石積など | 使用多い |
稲田(いなだ)石 | 花こう岩 | 茨城県 | ゴマ状の黒点がめだつ、白色 | 敷石、石橋、灯篭、板石など | 関東でよく使う |
北木石 | 花こう岩 | 岡山県 | 白色系 | 敷石、灯篭、板石など | 使用多い |
鞍馬石 | 閃緑岩 | 京都府 | 淡褐色、玉ねぎ状の石理 | 沓脱石、水鉢、飛石など | 産出減少、高級品 |
甲州鞍馬 | 閃緑岩 | 山梨県 | 鞍馬石に似る | 沓脱石、水鉢、飛石など | 鞍馬石の代用 |
筑波石 | 閃緑岩 | 茨城県 | 淡灰色、石の形は角がある | 石組、景石、水鉢など | 使用多い |
本小松石 | 安山岩 | 神奈川県 | 硬く、風化しにくい。青緑色 | 石碑、石組、敷石など | 墓石は最高品 |
新小松石 | 安山岩 | 神奈川県 | 本小松石より軟質、青味がある | 石組、飛石、沓脱石、石積など | 最近は代用品を使用 |
芦野石(白河石) | 安山岩 | 福島県 | 淡灰色、大谷石に似るが硬い | 敷石、石組、石積など | モダンな庭によく使用 |
根府川石 | 安山岩 | 神奈川県 | 板状節理であめ色 | 飛石、沓脱石、敷石など | 使用多い |
鉄平石 | 安山岩 | 長野県 | 板状、柱状節理で灰か灰褐色 | 敷石、飛石、小端積み、張り石など | 使用多い |
丹波石 | 安山岩 | 京都府 | 淡褐色 | 敷石、張り石、石積など | 張り石としては最高品 |
木曽石 | 砂岩 | 岐阜県 | 緻密な砂岩で淡黄色 | 石積、石組、景石など | 使用多い |
大谷石 | 凝灰岩 | 栃木県 | 軟質で加工しやすい | 塀、縁石、土留めなど | 建築材としてよく使用 |
六万石 | 玄武岩 | 静岡県 | 柱状節理で灰褐色 | 乱杭、石棚、延べ段、縁石など | 使用多い |
黒ボク石 | 玄武岩質溶岩 | 静岡、山梨その他 | 多孔質で軽量、耐火性あり | 土留め、ロックガーデン、縁石など | 軽井沢などでよく使用 |
伊予青石 | 緑泥片岩 | 愛媛県 | 青磁色、硬く色があせない | 滝の鏡石、石組、景石など | 青石中最上質、高価 |
秩父青石 | 緑泥片岩 | 埼玉県 | 青、赤、紫、白系あり | 滝の鏡石、石組、景石など | 使用多い |
抗火石 | 石英粗面岩 | 東京都新島 | 比重が1以下、耐火性あり | 屋上庭園用景石など | 内装にも使用 |
雄勝(おかち)石 | 粘板岩 | 宮城県 | 黒色系板石 | 板石、石碑、張り石など | 使用多い |
相州玉石 | 安山岩 | 神奈川県 | 黒色と青色がある | 石積など | |
甲州玉石 | 花こう岩 | 山梨県 | 白色に黒い斑点がある | 石積など | |
伊勢玉石 | 花こう岩 | 三重県 | サビ色を含む白色 | 石積など | |
相州ごろた | 安山岩 | 神奈川県 | サビがつく | 延段、洲浜、縁石など | |
淡路ごろた | 花こう岩 | 兵庫県 | 灰白色 | 延段、洲浜、縁石など | |
伊勢ごろた | 花こう岩 | 三重県 | サビ色を含む白色 | 延段、溪浜、縁石など | |
筑波ごろた | 閃緑岩 | 茨城県 | 青黒い灰色 | 延段、洲浜、縁石など | |
鞍馬ごろた | 閃緑岩 | 京都府 | あめ色 | 延段、縁石など | 最上品、高価 |
新鞍馬ごろた | 閃緑岩 | 山梨県 | 鞍馬ごろたに似る | 延段、縁石など | 鞍馬ごろたの代用品 |
クレモナストーン | 石灰岩石英岩 | 乱張敷石 | |||
クオーツストーン | 石英岩 | 乱張敷石 | |||
コッツウォールドストーン | 石灰岩 | イギリス | 積石 | ||
ライムストーン | 石灰岩 | イギリス他 | |||
ジュラストーン | 石灰岩 | ドイツ | 乱張敷石 | 酸性雨注意 | |
アルゼンチン斑岩 | 斑岩 | アルゼンチン | 敷石等 |
庭石の比重は、花こう岩系2.7前後、玄武岩系3.0、安山岩系2.5前後、凝灰岩2.0前後。プラスチック製の庭石では0.2前後である
最近は韓国、中国やフィリピンなどの外国産のものをよく使うようになった。
仕上げ種類 | 加工方法 | 効果と注意点 |
磨 き | 磨きは粗い砥石から徐々にきめ細かい砥石に替え ながら研磨して仕上げる。 #400や#800までのものを水磨き、 最終段階まで磨いて本磨き仕上げにする。 | 石の色艶を表現できる仕上げであるが「床」に使うときは滑りやすいので要注意。 |
ジェットバーナー | 石面を1800-2000℃くらいのバーナーで熱し、 石材結晶の熱膨張率が違うのを利用し、 表面をはじき飛ばして凹凸をつくる仕上げ。 | バーナーの掛け方がまずいと石材内部の鉱物が破壊して割れてしまう。 |
ジョットポリッシュ | ジェットバーナー仕上げの後、バフ仕上げをする。 | ざらつきが落ち着き、肌合いがよくなる。色ものの石は色合いがさえる。 |
ウォータージェット | 石面に高圧の水を吹付けて凹凸に仕上げる。 | ジェットバーナーより細かい凹凸に仕上がる。 |
サンドブラスト | 石面にカーボンを高圧で吹きつけ、凹凸をつける。 | ジェットバーナーより白っぽく仕上がる。磨きとのコントラストは強くなる。 |
ビシャン 小叩き ノミ切り | 石面の叩き仕上げである。石工道具の両刃で 平行線の筋を出すのが小叩き。 ビシャンで梨地柄に叩くのがビシャン仕上げ。 ノミで払い落とした面がノミ切り仕上げである。 | 叩き仕上げは、石面を打撃して作るため、石厚(40-60mm)が必要。 |
割 肌、 | 割り肌は原石をセリ矢などで割ってつくる。 これ面の周囲四辺をコヤスケなどで払い落とすと コブ出し仕上げとなる。 | 壁に使うと重厚感や迫力が出る。 |
こぶ出し | 石厚(60-120mm)が必要。 |
仕上げ種類 | 加工方法 | 効果と注意点 |
磨 き | 砥石の硬さなどが違うだけで 基本的には御影石の研磨方法と変わらない。 | 本磨き艶出しすることで石の色や柄を美麗に表現できる。磨きを床に使用しても乾いた状態であれば滑ることはない。 |
サンドブラスト | 石面に高圧で砂を吹き付けて凹凸を付ける。 | 色柄によっては面白い味が出る。内部の壁床向きである。 |
割 肌 | 石の性質上、御影石のように割れない石が多い。 大割りが難しい石でも小割りができる場合もあり、 小端風の仕上げ材を作ることができる。 | 御影石の割り肌仕上げより、繊細で優しい肌合いでできる石種もある。小端風の仕上げは面白い仕上げが期待できる。 |
仕上げ種類 | 加工方法 | 効果と注意点 |
磨 き | 石種によっては磨くことができる。水磨き程度で使用することが多い。 | 経年によって質感、重量感が出る。諏訪鉄平石などは和風テイストを演出できる。 |
サンドブラスト | 石面に高圧で砂を吹き付けて凹凸を付ける。 | 施工例は少ないが色柄によっては面白い味が出る。 |
コブ出し、小叩き | 御影石の加工法と同じ。 | 城の石垣なども安山岩コブ出しだった。 |
割肌 | 輝石安山岩である鉄平石は厚み2cmくらいの板状にそげる石で、その割肌は鉄のように平らというので鉄平石と名付けられた。 根府川石も同じだがほかの安山岩の石は石工がノミを使って割肌をつくる。間知石や野面石がそれである。 | 安山岩は昔から、日本各地で石垣などに使用されてきた。輝石安山岩である鉄平石は板状に割ることのできる石。 |